佐「お会計お願いします」
割り勘を済ませ佐紀と並んでる途中。
『あれ?中野さん?』
あぁ。最悪だ。
私「こんばんは」
声の先には成瀬さんと腕を組んで会計に並ぶ東條さん
みたくない。そんな姿。
成瀬さんは一度も私のものになったことはない。
だけど少なからず昔以上に距離は離れてるし
関係も終わっているわけで、
今更なにも言える立場じゃないのは
重々承知。
どうしよう…この空気。
佐「あれー!成瀬さんじゃないですか!」
きっと佐紀は機転をきかせてくれたんだろうけど
やっぱり腕を組んでるのは成瀬さんなんだよなと
再確認してしまう。
成「あ、高倉。
久しぶりだな」
智「あれー先輩っ女連れですか!
おじゃましちゃってすみません
ほら、江莉も行くよ」
私「う、うん!
失礼します!」
なんだかわからないけど
私は守られてる。
佐紀にも智樹にも。
その瞬間少しだけ強気になれた気がした。
私のことをどんな目でみてたとか
そんなことまで気を配る余裕はなかったけど
あの二人は私のときみたいに
あのまま夜を共にするのかもしれない
そのあとできちゃうのかもしれない。
いや、もうできてる?



