「鋭十〜!ごめん待った?」

待ち合わせ場所には、既に彼氏の町野鋭十(マチノ エイト)が待っていた。

「うん。5分遅刻〜待ちくたびれた〜卍」

「えー、うそごめん!」

「なーんてな笑笑全然待ってねーし、さ、行こーぜ」

明るくて優しい年上の彼氏。
萌夢叶にとって鋭十は正に理想の彼氏だった。
しかし、まだ高校3年生の萌夢叶は、
大学4年の彼が大人の女性や女子大生などに盗られてしまわないだろうかと少し心配していた。
クラスの友達は「高校卒業したくねー卍」だの、「JKライフあと1年もなくてないたー」だのと言っているが、萌夢叶は早く高校を卒業し、早く大人になって鋭十と結婚したいと思っていた。