「あーあ、これからりぃーっぱな社会人になるはずだったイケメンくんが、どっかのこわぁい女子高生に呪われてぐちゃああああああ!!!!」

校舎裏でスマホを使ってニュースを見ていた萌夢叶の耳元で、
狐面を被った怪しい男…『復讐狐』が大きな声で挑発してきた。

「うるさいなぁ!実際仕組んだのはアンタでしょ?私はちゃんとお金払ったんだからゴチャゴチャほざいてんじゃねーよ!」

「はいはいわかりまちた笑笑
てゆーか君も悪い子だよね〜。
親の財布から10万盗んでまであの女たらしイケメンクソチャラ男ボッコボコにしたかったんだね〜わーこわいこわーい笑笑」

「当たり前でしょ?!浮気したんだから!」

しかもその相手が乃絵琉だったなんて、萌夢叶にとっては人生で一番の屈辱だった。
そして、萌夢叶は当然、乃絵琉への復讐も考えていた。

「…で?例の『もう一つの復讐』、本当にやるの?」

さっきまでふざけていた復讐狐の口調が変わった。
萌夢叶はなんの躊躇いもなく頷いた。

「当然…」