莉奈side
「ごめんなさい!」
まさか、大好きな君に謝れるなんて思っていなかった。目の前に好きな人が現れてくるなんて夢みたいな感じだった。
もう君には会えない。会ってはいけないと思っていた。私を見ても思い出すことはないと思っていたから、こんな予想外の事態が起きてしまった。
趣味で書いていたケータイ小説がたまたま書籍化されて喜んでいたけど、君に読まれていたなんて思っていなかった。
「俺と友達からでもいいから仲良くしたいんです」
彼の言葉に私は嬉しくて涙が溢れた。君は「泣くなよ」と言って、私の涙を拭ってくれた。体の体温が急激に上がっていく。この感覚は何年ぶりだろうか。
先輩と手を繋いで帰ったのはとても嬉しくて緊張した。咲花先輩も優しくしてくれるので安心した。