キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴ると同時に、
教室の外にいた生徒たちがぞろぞろと入ってきた。

「うわぁまたやってるよあいつらw」

「どっかの騎士山くんのせいで、神崎さんかわいそーw」

「いやーオレはいじめられたくないから神崎の味方にはなれないな。ハハハハハハハ!」

貝塚と取り巻き以外のクラスメイトの中にも、いじめには参加しないものの、いじめを見て笑っている者はいる。

「チッ…飲めっつってんだろ!ブス!」

貝塚はペットボトルの中身を苺菜の顔に
思いっきりかけた。

「ぶっ!あっはははははは!」

「ひでぇwwwww」

上半身がずぶ濡れで、ベタベタして、物凄く気持ち悪い。
苺菜にはクラスメイトの嗤い声が妙に遠く聞こえていた。

ガラッ

「授業始めるぞ……神崎?どうしたんだ?ジュースこぼしたのか?」

入ってきた教師の余計な一言の所為で、いじめっ子といじめを見て楽しんでいる奴らがどっと笑い出す。

「……なんでもないです。」