「えっ?!」


思わず出てしまった声を、口を手で押さえて慌てて止める。


目の前の光景にびっくりしてそこから動けなくなる。


大きなガラス窓、


そこから差し込む太陽の光、


そして──────


サラサラの黒髪に、白い肌、

長い睫毛、

薄い唇は小さく開けられていて─────


って!!


なんで人がこんなところに寝ているの?!


窓の縁に座ってスヤスヤと眠り込んでいる男の子。


ここの生徒さん?


あまり見なれないクリーム色のブレザーは、やはりここ星音学園の制服で。


こんなに綺麗な男の子、現実世界にいるんだ、なんて関心してしまうほど。


こんな時間に学校で寝ているなんて、変わった人だ。


「って、いけない!時間!」


気持ちよさそうに寝ている男の子に完全に見入ってしまった。腕時計を確認すると、時刻は7時30分。


約束の時間だ!


急いで、寝てる男の子から離れて、理事長室の茶色い大きなドアをノックした。