考え込んでいた私に、ポンっと肩に手を置いて美織が微笑んだ。
「まぁ、ゆっくりでいいと思うよ?心愛のペースでね」
その言葉になぜか私はホッとした。
「…そっか」
納得できたような、この変な気持ちがなんなのか確かめたいような……でも私のペースで知っていけばいいんだ。
不思議とあと少しで、この変な気持ちを確かめられるような気がしてるんだよね。
「心愛ちゃん!俺も、心愛って呼んでいい…?」
不意に後ろから声をかけられビクッとする。
振り返ると、さっきまで本城さんにベタベタされてた湊だった。
なんとか逃げられたみたいで、本城さんが納得いかないような顔でこっちを見てる。
…見てるというか、私を睨んでる…?
顔が整ってる人が睨むと余計に迫力が増して怖いな…。
ビクビクしてる私に気づいてない湊は顔を手で隠しながらもう一度言った。
「心愛って呼んでいい…?」
と。