「えっと…史郎さんのお部屋は?」

「隣。」

「そこもお掃除しなくて良いんですか?」

「まぁ…そんなに広い部屋でもないし。
今のところ、自分で出来るから。」

つまり、他人に入られたくないってことだね。
何か秘密でもあるのかな?
もしかして、ものすごい汚部屋とか…?
いやいや、史郎さんに限ってそんなことはないとは思うけど…



無理に、私に掃除させて下さいって言うのもなんだし…
レギラのコレクション部屋を見せてもらっただけでも、良しとしないとね。



「……君が、最初だ。」

「え?」

「……ここを見せたの。」

「そ、そうなんですか?」



つまり、歴代の家政婦さんには、誰にも見せてないってことか。
でも、どうして…?



「あ、あの…どうして、私には見せて下さったんですか?」

「そうだな…まずはレギラに興味を持ってくれたってことだな。」

そんな風に言われると、ちょっと胸が痛む。
私も正直言って、そんなに興味があるってわけじゃない。
ちょっと無理して史郎さんに合わせてるだけ。
でも、大嫌いって程でもない。



「それと……」

まだ続きがあるみたいだ。
一体、どんなことだろう?私は、史郎さんの次の言葉を待った。