「じゃあ、また月曜日に。」



土曜日の早朝、手島さんはそう言い残して、家に戻って行った。
もちろん、前日の金曜日にはスーパーでたくさん買いものをして…
どうやら、手島さんは週休二日で働くつもりのようだ。







「そう…」

朝食の時、史郎さんに手島さんが家に帰ったことを話した。



「そういえば、君はここに来てから、一日も休んでないな。
……どうする?君も週休二日にするか?」

「え?」

史郎さんの言葉で気が付いたけど…
そういえば、私…一日も休んでなかったよ!



「すまなかった。休日のことを話さずに君をこき使って…」

「い、いえ…私、お休みでも特に行きたい場所も、したいこともありませんから、大丈夫ですよ。
別にお休みはいりません。」

「……そうか。」

うん、今言ったことは嘘じゃない。
日々、それなりに疲れてはいるけれど、一日中寝ていたいって程でもないし、休みをもらってもしたいことないし、それになによりお給料をたくさんもらってるんだから、それに報いるためにも少しでも多く働きたいし。



……って、派遣の時はすることがなくても、休みが待ち遠しくてたまらなかったのに、私もずいぶんと変わったもんだね。
でも、ここは、やることさえちゃんとやってたら、自由に休めるから。
掃除がひと段落したら、お茶を淹れてまったりするってことも少なくはないからね。