5月4日④
ギャラリーに帰ってから、私はレオナルドに絡みに絡みまくり、既にグラマラス美女に振られていた彼ともう一度飲み直した。
「………ってなことを言ってくるのよ!!どう思う??口が上手いったらないわ。もう少しで私、信じちゃいそうになったもの!」
「でもさ、何で嘘だと思うわけ??」
管を巻く私からワイングラスを遠ざけて、レオナルドは自身のグラスに手酌でワインを注ぐ。
「何でって……説明したでしょ!ちょっと複雑な私達の関係。私だと知らずに、私が演じたメイドに惚れちゃって……そのメイドに、メリーじゃなくて君が好きなんだーとか言っちゃってさぁー」
「ああもう、だいぶ酔ってるね?」
「酔ってなーい!」
「酔っぱらいは大体そう言うよ………あのさぁ、ランスが君の演じたメイドに惚れて何で君が怒るわけ?」
「はぁ!?何でって!………」
珍しくイライラしたレオナルドは、グラスを荒々しく机に置いた。
「もういい加減気付かない振りはやめなよ。嫉妬してるんだ君は、メグに」
「嫉妬?!メグに!?あははっ!何いってんの、ランスのことなんて何とも思ってないのに!?」
「そうやって自覚してないから面倒臭いんだよ。離婚した時ならそうかもしれない。けど、メグとして彼に会ってからはどうだ?何とも思わなかったことはないはずだよ。人間ってさ、自分のことを心底嫌いな相手に惚れることはまずない。相手の心を感じ取って自分の気持ちを自覚するんだ」
「レオナルド、何言って………」
お願い、もうそれ以上言わないで。
と、耳を塞ぎたくなる衝動が沸き上がる。
「要するに、君は目が見えくなったランスに好意を抱いた。まぁ、それは同情だったかもしれないし、憐憫だったかもしれない。だけど、そのどれも愛情の一片なんだよ。そんな君の心を感じ取って、ランスは君に惹かれたんじゃないかな?」
「そんなの……」
「認めないかい?彼がメグに好意を見せるたびにイライラしなかった?切なくなかった?」
「…………………」
「ほら、自覚がある。バカだよね、自分自身に嫉妬するなんて」
レオナルドはわざと私を煽るように、大袈裟におどけて見せる。
「…………いい加減にして、怒るわよ……一体あなたに何が分かるというの………」
「ふふっ、図星だから怒るんだ。僕の仕事は人を撮ることだよ。レンズを通して大体のことはわかる。言ったじゃないか、単純かもしれないよって。難しくないんだ、彼の君に対する愛情を信じなよ、そして、自分の気持ちもね」
呆然とする私の前に、レオナルドはさっき遠ざけたグラスに、ワインを半分ほど注いで差し出した。
そして、自分のグラスにも同じだけ注ぐとチンとグラス同士を鳴らして乾杯する。
「焦ることはない。それが運命ならば答えは向こうからやって来る」
「………レオナルド・アドニスの言葉ね」
そう言うと彼は爽やかな笑顔で、ウィンクをして見せた。
ギャラリーに帰ってから、私はレオナルドに絡みに絡みまくり、既にグラマラス美女に振られていた彼ともう一度飲み直した。
「………ってなことを言ってくるのよ!!どう思う??口が上手いったらないわ。もう少しで私、信じちゃいそうになったもの!」
「でもさ、何で嘘だと思うわけ??」
管を巻く私からワイングラスを遠ざけて、レオナルドは自身のグラスに手酌でワインを注ぐ。
「何でって……説明したでしょ!ちょっと複雑な私達の関係。私だと知らずに、私が演じたメイドに惚れちゃって……そのメイドに、メリーじゃなくて君が好きなんだーとか言っちゃってさぁー」
「ああもう、だいぶ酔ってるね?」
「酔ってなーい!」
「酔っぱらいは大体そう言うよ………あのさぁ、ランスが君の演じたメイドに惚れて何で君が怒るわけ?」
「はぁ!?何でって!………」
珍しくイライラしたレオナルドは、グラスを荒々しく机に置いた。
「もういい加減気付かない振りはやめなよ。嫉妬してるんだ君は、メグに」
「嫉妬?!メグに!?あははっ!何いってんの、ランスのことなんて何とも思ってないのに!?」
「そうやって自覚してないから面倒臭いんだよ。離婚した時ならそうかもしれない。けど、メグとして彼に会ってからはどうだ?何とも思わなかったことはないはずだよ。人間ってさ、自分のことを心底嫌いな相手に惚れることはまずない。相手の心を感じ取って自分の気持ちを自覚するんだ」
「レオナルド、何言って………」
お願い、もうそれ以上言わないで。
と、耳を塞ぎたくなる衝動が沸き上がる。
「要するに、君は目が見えくなったランスに好意を抱いた。まぁ、それは同情だったかもしれないし、憐憫だったかもしれない。だけど、そのどれも愛情の一片なんだよ。そんな君の心を感じ取って、ランスは君に惹かれたんじゃないかな?」
「そんなの……」
「認めないかい?彼がメグに好意を見せるたびにイライラしなかった?切なくなかった?」
「…………………」
「ほら、自覚がある。バカだよね、自分自身に嫉妬するなんて」
レオナルドはわざと私を煽るように、大袈裟におどけて見せる。
「…………いい加減にして、怒るわよ……一体あなたに何が分かるというの………」
「ふふっ、図星だから怒るんだ。僕の仕事は人を撮ることだよ。レンズを通して大体のことはわかる。言ったじゃないか、単純かもしれないよって。難しくないんだ、彼の君に対する愛情を信じなよ、そして、自分の気持ちもね」
呆然とする私の前に、レオナルドはさっき遠ざけたグラスに、ワインを半分ほど注いで差し出した。
そして、自分のグラスにも同じだけ注ぐとチンとグラス同士を鳴らして乾杯する。
「焦ることはない。それが運命ならば答えは向こうからやって来る」
「………レオナルド・アドニスの言葉ね」
そう言うと彼は爽やかな笑顔で、ウィンクをして見せた。

