5月3日(半年後)
あの日飛行機に飛び乗ってから、私が故郷に帰ることはなかった。
機内で出会ったレオナルド(厳密には病院で会ってるけど)と何故か意気投合し、イタリアで彼の仕事を手伝いながらその技術を学んだ。
そして、レオナルドの個展にも付いて行き、人脈を広げ技術を身に付け、ついに彼の名前と並んでの個展を開催するまでの力をつけた。
風景写真が主流の私と、人物写真が主流のレオナルドとはその個性が被らなかったために、同時開催の個展はどこへ行っても高評価を得ていた。
「半年ぶりだね!」
「そうね、でもあまり懐かしくもないわ。今までが忙しすぎたからかしら?」
「良い出会いがあるといいけど」
そう言ってレオナルドは、空港ですれ違う美女にウィンクをした。
そう、私は半年振りに故郷に帰ってきている。
世界的に有名になってきた私に、故郷で個展をと、父の知り合いであった人が声を掛けてきたのだ。
その誘いを断るつもりだった私に、レオナルドは個展の開催を熱心に勧めて来た。
『恩は返すものだよ』
と、彼は笑うと自分を育んでくれた故郷に恩返しをしなさいと言った。
個展の開催期間は2週間、昔、賞をとったギャラリーでレオナルドとの共同展として行うことになっている。
空港から直接会場に向かい、ざっと下見をして宿泊先のホテルに移動するためにタクシーを拾う。
タクシーの中からぼーっと外を眺めていると、ふと、ある看板が目に入り、私は身を乗り出した。
それは『ガードナー法律事務所』という看板。
看板の先には大きなビルがあり、高そうなスーツを着込んだ人が、忙しそうに出たり入ったりしていた。
ランスとフレドの事務所か………。
そういえば行ったことはなかったけど、この辺りに事務所があったわね。
あんな大きなビルだなんて思わなかったけど、まだ、看板が出てるということはちゃんとランスは働いてる。
そう思うと、何故か嬉しくなって自然に顔が綻んだ。
あれからランスのことを考えないわけではなかったけど、日々の忙しさに自然と忘れていってしまった。
だけど、毎月ちゃんと慰謝料が振り込まれる度に、きっとメグのことなど忘れ元気に働いているんだと安心もしていたのだ。
「メリー、今日の夕食は中華にしようよ」
「あなた、中華好きよねぇ?まぁいいけど。その代わり明日は私の食べたいものにするわよ!いい?」
「もちろんもちろん!」
隣で中華の腹になっている友は、いつも私のノスタルジアを軽く吹き飛ばして行く。
そんな彼に感謝しつつ、私は端末で中華の店を探し始めた。
あの日飛行機に飛び乗ってから、私が故郷に帰ることはなかった。
機内で出会ったレオナルド(厳密には病院で会ってるけど)と何故か意気投合し、イタリアで彼の仕事を手伝いながらその技術を学んだ。
そして、レオナルドの個展にも付いて行き、人脈を広げ技術を身に付け、ついに彼の名前と並んでの個展を開催するまでの力をつけた。
風景写真が主流の私と、人物写真が主流のレオナルドとはその個性が被らなかったために、同時開催の個展はどこへ行っても高評価を得ていた。
「半年ぶりだね!」
「そうね、でもあまり懐かしくもないわ。今までが忙しすぎたからかしら?」
「良い出会いがあるといいけど」
そう言ってレオナルドは、空港ですれ違う美女にウィンクをした。
そう、私は半年振りに故郷に帰ってきている。
世界的に有名になってきた私に、故郷で個展をと、父の知り合いであった人が声を掛けてきたのだ。
その誘いを断るつもりだった私に、レオナルドは個展の開催を熱心に勧めて来た。
『恩は返すものだよ』
と、彼は笑うと自分を育んでくれた故郷に恩返しをしなさいと言った。
個展の開催期間は2週間、昔、賞をとったギャラリーでレオナルドとの共同展として行うことになっている。
空港から直接会場に向かい、ざっと下見をして宿泊先のホテルに移動するためにタクシーを拾う。
タクシーの中からぼーっと外を眺めていると、ふと、ある看板が目に入り、私は身を乗り出した。
それは『ガードナー法律事務所』という看板。
看板の先には大きなビルがあり、高そうなスーツを着込んだ人が、忙しそうに出たり入ったりしていた。
ランスとフレドの事務所か………。
そういえば行ったことはなかったけど、この辺りに事務所があったわね。
あんな大きなビルだなんて思わなかったけど、まだ、看板が出てるということはちゃんとランスは働いてる。
そう思うと、何故か嬉しくなって自然に顔が綻んだ。
あれからランスのことを考えないわけではなかったけど、日々の忙しさに自然と忘れていってしまった。
だけど、毎月ちゃんと慰謝料が振り込まれる度に、きっとメグのことなど忘れ元気に働いているんだと安心もしていたのだ。
「メリー、今日の夕食は中華にしようよ」
「あなた、中華好きよねぇ?まぁいいけど。その代わり明日は私の食べたいものにするわよ!いい?」
「もちろんもちろん!」
隣で中華の腹になっている友は、いつも私のノスタルジアを軽く吹き飛ばして行く。
そんな彼に感謝しつつ、私は端末で中華の店を探し始めた。

