飽きずにずっとマユを眺めていると、ポテトの脂ギッシュな紙が最終的には一応飛行機らしい形になった。

「ブシコ遅くね」

 片手で紙飛行機を弄びながらマユはブシが姿を消した方角に顔を向けている。眉間の皺の深みが増す。

「そうだね。混んでるのかな」

 人の集まる場所で、女子トイレが混んでいることは往々にしてあることだ。

「早くお土産買いたいのにぃ」

 指でトントンとテーブルを鳴らし、加え女子大生らしからぬ激しい貧乏ゆすりを繰り返すマユの行動に、ボクはため息を漏らさずにはいられない。