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 降っていた雪が花弁に変わった春の日。進級した花奈はホームルームが終わると、職員室の前にいた。


 それぞれが部活をするために教室を離れていき、廊下はあっという間に静かになる。



「失礼しました」



 待っていた人物が出てきたのを見て、花奈は笑う。



「行きましょうか、後輩くん」

「全く。カッコつかねえ」



 咲也は笑顔で花奈の隣に並ぶ。そのまま目的の場所に向かって歩き出す。


 ずっと学校を休んでいた咲也は、進級することはかなわなかった。


 一年からまたやり直すことになり、一度は退学を考える。しかし、花奈の説得で頑張ることを決意したのだった。