『空が綺麗だよ、永和(とわ)ちゃん』 あの時、あなたが涙を流してそう言うから。 私はいつも上を向いて歩いた。 「今日は……夕方くらいに雨が降りそうだなあ」 いつしかそんなことも分かるようになっていた。 何の得もないのに。 それでも私の歩幅は変わらず、前へと進める。 いつも違った道を行くけれど、その全ては私の頭に入っていて。 少し、幼い頃のワクワクを味わってるのも事実で。 けれど私は、上を向いて歩いた。