「え?」


警察署の一角。


隠れるような場所に、大すきな人の姿を見つけた。


受け取った書類を抱えたまま駆け寄ろうとして、足は縫い止められたように止まった。流夜くんが、女の人と話していた。


流れるような金髪――いや、金糸と銀糸を織り交ぜたような不思議な色合いの、背中の中ほどまでの長い髪に、背丈は私より少し低いくらい。


スレンダーな体型で、見えるのは横顔だけだけど、テレビの中にいるのが似合いそうな、とびきりの美人さんだとわかる。


流夜くんの……知り合い?


真剣な顔で話していた二人だけど、なんでこんな隠れるみたいな場所で……出て行っていいものか迷っていると、ふと流夜くんの右手が女性の顔の方へ伸びた――。




「流夜さんが女の人と密会してた⁉」


――翌、月曜日。


登校が笑満と頼と一緒になって、昨日のことを話していた。


私一人の頭では処理し切れなくて……。


「密会って言うか……あんま人が来ない場所で金髪美人さんと話してて、それから流夜くんが……」