結局、彼氏(仮)の期間は一日だけだったから、その辺りは誰も知らない。


火曜日は在義父さんが帰ってくる前にうちに送ってくれて、先生――……流夜くん、はそのまま仕事へ行った。


在義父さんの破壊行動が始まったのは翌水曜日からだ。


いつも通りうちにご飯を食べに来た流夜くんと降渡さんとふゆちゃん。


三人揃って来るわけではなくて、その日のお昼頃までに『今日行くねー』という連絡をそれぞれからもらっていて、私はその分も料理を作っておく。


三人とも食材持参で来てくれるから、それは次回の材料にさせてもらっている。


水曜日、在義父さんはもう帰って来ていて、最後に来た流夜くんは、まず「ただいま」と私の頬にキスした。


バキィッ。一膳目、破壊。


それから、うちのダイニングテーブルは四人用だから、先に来ていた降渡さんとふゆちゃんと在義父さんがいた。


基本的にあとから来た人はリビングのローテブルで食べるんだけど、流夜くんが私をそっちへ呼んで、隣で食事した。


ボキィィッ。二膳目、破壊。


食器の洗いものをしてくれている流夜くんの隣で、お皿を拭いて仕舞った。


全部終わって流夜くんは出勤? するというので見送りに出ると、また「行ってくる」と今度は額にキス。


ドゴッ。三膳目、破壊。


一日だけで三膳のお箸がお陀仏に……。


「在義さんがすげえ人間らしく見えるねー」