咲桜を助手席に乗せて、五分もかからないところにある俺のアパートへ。


なんでこんな近いところに住んでいるかと言うと、当然咲桜に何かあったときすぐに対応出来るようにするためだ。


あまり家に居つけない仕事(本業)柄、家には寝に帰るだけ。


社会人になってからはほぼ食事は華取の家にお世話になっている。


これは降渡と吹雪も同じ。……つまり俺は好きな子の作った食事に毎回ありついているわけか。結構すごいことだよな。


だからせめて、咲桜の近くに――と。


「在義父さん、何か言ってましたか?」


「うん? 咲桜に門限つけるか考えるって」


「今更?」


咲桜が疑問符を浮かべるのも当然だ。


今まで咲桜には門限がなかった。


在義さんは連日家に帰れないことも多いから、幼い頃からお隣の家に預けられたりしていて、大きくなってからは俺たち三人や、その縁で知り合った絆と一緒にいることも多く、また在義さんが俺らのことは信用してくれているらしく帰る時間を厳しくは定められていなかった。


「不満そうだな?」