華取の家を出て、ひたすら落ち込んでいた。


まさか……咲桜が好きなヤツが降渡だったなんて……。(↑自分が告白されたことはある種のショックで記憶が飛んでいる模様)


咲桜が言っていたすきな人の条件と、さっきの降渡を照らし合わせてみれば完全に一致する。


基本、降渡は根が優しいヤツだけど、小さな頃から知ってる咲桜のこと特には妹みたいに可愛がっている。背丈は俺より高い。


咲桜の作ったご飯を美味しいって食べて、食器も咲桜に気負わせる風なく片付けてしまって。


……まさか……。


後半は吹雪も合致するけど、吹雪は咲桜のことを大親友と言ってはばからない割に、咲桜にも毒を吐くから優しいと言っていいかは悩む。


咲桜の作った食事をいただけるほど距離が近い男は、俺たち三人か咲桜の幼なじみの頼くらいだ。


頼は背丈が咲桜と同じくらいだから、咲桜のあげた理由から考えて除外される。


降渡には絆(きずな)がいることは咲桜も知ってる。


だから叶わないと諦めていたのか? それで……俺の話に乗って来たのか?