笑える、けどね……。んー、自分で蒔いた種と言うか自業自得なんだけど、学校では斎月が流夜くんの『彼女』って認知されてるの、やっぱりちょっとやだ。


いや、私が彼女ですって名乗り出られるわけもないんだけど、やっぱりなあ……。


斎月と逢った翌日、学校はすごい騒ぎだったよ。『神宮先生の彼女は金髪美女』って。


私も初見ではそう思ったから否定出来なかった。流夜くんは、肯定はしないけど否定もしないで流してる感じ。『お似合い』って言われてるから、この騒ぎも少しすれば落ち着くと思う。


まあ、『神宮先生の彼女』だからね。私なんかでは到底無理さ。流夜くんと斎月が揃った時の顔面偏差値の高さ。……あれ? 私一応、流夜くんと親戚? なんだよね? 全然似てる要素なくね? 斎月の方が流夜くんと似てるよね? さすが兄弟('ω')ノ! ってむしろ泣いたあとに笑えてくるよ。


……ねえ、桃子母さん。桃子母さんは、美流子さんとして生きたかった?


それとも、華取桃子として最期を迎えたかった?


私には一生わからない答えだけど、『桃子』母さんが幸せに生きていたのは知ってるよ。


在義父さんのこと、大すきだったもんね。


二人の間にいられた私は、世界で一番幸せだったんだよ。私がそれを伝える言葉を持つ前に、桃子母さんは儚くなってしまったけど。


本当だから、ちゃんと知っておいてね?