「あー、咲桜。生徒に斎月のこと見られてるから、あれが俺の彼女って、学校では言われるかもしれないけど……」


「うん、その辺りは大丈夫。斎月は流夜くんの弟だってよくわかったから。それに、流夜くんは私のでいいんでしょ?」


「勿論」


「じゃあちゃんと、私は流夜くんのにしておいてくださいね?」


「……今日、夜々子さんと箏子さんも来るんだよな?」


「? うん。帰ったら早くご飯作らないとだ」


「……だよなー」


「どうしたの?」


「うん、ちょっと二人っきりになりたいというヨコシマが頭をもたげてて」


「う……今日は無理ですよ。もう夜々さんに言ってるし……」


「だよな」


「あ、明日はどうですか? 私が流夜くんのとこ行くでもいいですし、こっち来てもらってもいいですし」


「……明日がすげー長そう。うん、でもそれでよろしく?」


「はい。あ、流夜くん」


「うん?」


ちょいっと、手招きして流夜くんの耳元に口を寄せる。