『女子生徒に襲われた』という気になり過ぎる言葉を発しておきながら、もやもやした顔をして詳しく話さない流夜くんは、結局私を連れて《白》へ戻った。


笑満と頼は帰されたみたいだけど、大和さんはいた。降渡さんが増えていた。


「あー、それっすか。ほんとですよ。一日中追い掛け回されて、二人して逃げ回って。ガチ怖かった……。それで流夜兄さん、女性に雑になったんですよ」


「てめえは女性恐怖症になって今も治ってねえだろ」


「貞操の危機じゃないですか!」


こえーっ。それは性別女性の私には話したくないわな。


うっかり流夜くんのこと責めなくてよかった……。


大和さんはよく見ると、左目が銀色だった。


ふゆちゃんがハーフって言ってたけど、普通の金髪とは言い難い髪の色といい、すごく神秘的だな……。


「そのとき大和さんは男の子? だったんですか?」


カウンターの中のふゆちゃんに言われて、大和さんの隣のカウンター席につく。


流夜くんは傍に突っ立って不機嫌な顔で腕組んでる。


「家の事情で男として育てられてたってだけですよ。男性になりたいとかそういうんではないです。あと、斎月でいいですよ。咲桜さんのこと、姉様って呼べるのを心待ちにしてましたから」


「へ?」