「流夜くん、私のこれからをずっと一緒にいたいです。流夜くんがいいって言ってくれるなら、私はこれからを、流夜くんと生きていきたいです」
――ああ、ほら。
咲桜が特別だった理由がわかってくる。
咲桜だけが俺に、『感情』を教えてくれるんだ。
こんな、可愛くて優しくて、やわらかい眼差しで愛おしく、とても大事な存在。
俺が護るんだという気持ちを、教えてくれる。
「ん。そうしよう。一緒にいる未来(さき)を、二人で選ぼう?」
「――はいっ」
微笑のような、満面の笑みのような顔をする咲桜。
本当に、いつの間にこんなに成長したんだか。
……小さな咲桜はもういない。目の前にいるのは、俺の咲桜だ。
「あと……ごめんなさい、唇、切っちゃって……」
咲桜が腕をゆるめて、俺の顔を覗き込んでくる。
「ああ、戒めとして受け取っておく。でも、ほかの人が見たら何があったかわかるよ?」
「……うう……戒めとして受け取っておきます………」
恥ずかしさが臨界点なのか、咲桜は真っ赤になってうつむいた。
可愛い、けど、そのカオもたくさんみたい。
「咲桜。告白したらたくさんするって言ったよな?」
「へ?」
言葉では答えず、その顎に指をかけて上向かせ口づけた。



