「血縁どうのじゃなくて、私が一番に流夜くんの家族になりたかったのに、勝手に弟作ってるんですもん。怒ってもいいじゃないですかっ」
………そこ? いや、家族になりたかったとか思ってもらえるの、素直に嬉しいけど……。
「いや、咲桜? バカのことは家族って意味で弟って言ってんじゃなくて、友達でもなんでもないあれを形容する言葉がないから、お互い兄弟って言ってるだけで大した意味は……」
「それでもですっ。美流子さんのことと私のことを思ってくれていたのは嬉しいですけど、私が知らない間にあんな美人さんを弟にして来た流夜くんに怒ってます! これも八つ当たりです!」
堂々とした宣言だな。咲桜らしいけど。
「うん、ごめん、本当に謝る。……どうしたら、ゆるしてもらえる?」
「ちゃんと言ってください。卒業まで先送りされるの、もう待てません」
「―――」
それ、は……。
咲桜の両手を、包むように握った。
「咲桜のことが好きだ。俺と、付き合ってほしい」



