「吹雪! てめえで呼んだんだからバカの後始末しとけよ!」


「はいはーい。早く追ってあげなよ」


「言われなくても! 笑満、頼、あとで連絡するから、今日はこのまま帰れ」


二人が肯くのを見る前に、咲桜を追って扉をぶち開けた。


全力で走る咲桜も、すぐに見つけられた。


「咲桜!」


届いた腕を摑むと、勢いで振り返った咲桜の顔は涙まみれだった。


「りゅ――」


怯えた表情で名前を呼ぼうとした咲桜の、その桜色の唇をふさいた。


「! ンっ」


きつく抱きしめて、呼吸まで奪うように口づける。