ずっと、先生が好きだった。


「――先生っ」


意を決っして勢いよく扉を開けると、窓際に置かれた机でパソコンを開いていた神宮先生が顔をあげた。


その視線に捉えられて、心臓は三回大きく跳ねた。


「咲桜、どうした?」


が、学校で『咲桜』呼び……。


柔らかい笑顔で迎えてくれる『先生』は、私にとってはずっと特別な人。


私は後ろ手に隠して来たものを差し出した。


「それ……」


「ごめんなさいっ!」


……私が差し出したのは、一学期末試験の結果評だった……。