先生と17歳のあいだ












あの街を離れて三回目の春がきた。


……ガチャリ。

私はこの四月から一人暮らしをはじめたアパートの鍵を閉める。




「あ、もしもし。菜穂?」


私はスマホに耳を当てて歩いた。

足元は少し高いヒール。最初の頃は痛くて絆創膏だらけだったけれど、最近は歩き方も様になってきた気がする。



あれから私は網走の高校を無事に卒業して、服飾の専門学校へと進学した。


オシャレとは無縁だった私が洋服関係の道に進むなんて自分が一番驚いている。


網走の高校では引っ込み思案だったことが嘘のようにたくさんの友達ができた。服飾に興味を持ったのもその時にできた友達の影響だ。



「菜穂もこれから仕事でしょ?私は今日早上がりだから18時くらいかな」


もちろん菜穂との友情は今でも続いていて、今年の夏には一緒に旅行に行く計画をしてる。



専門学校を二年で卒業した私は、今年二十歳になった。


今は札幌でデザイン関係の仕事をしていて、菜穂は大学に進学せずに就職を選んだので社会人の先輩。


働くことは思っていた以上に大変で、毎日家に帰る頃にはクタクタになってしまうけれど、とても充実した日々を過ごしてる。