ねえ、先生。
先生は笑うかもしれないけど。
バカだなって言うかもしれないけど。
先生は私の心そのものでした。
『俺が友達になってやろうか?』
始まりはあの日。先生は一瞬で私の世界を変えた。
『帰り道ぐらいは前見て歩けよ』
いつも前向きで。
『的井、青春しろよ』
いつも強引で。
『よく出来ました』
いつも優しくて。
『必要なんて、そんなこと言うなよ』
いつも私のことを見てくれた。
恋をするのって忙しかった。
恋をするのって難しかった。
恋をするのって苦しかった。
でも、恋をするのって楽しかった。
「……先生っ。私、大人になります。ゆっくりゆっくり大人になります……っ!!」
私はありったけの声で叫んだ。
先生に届いたかは分からない。
けれど、先生の光は応えるようにして、ずっと消えることはなかった。
先生、先生、郁巳先生。
行ってきます――。



