先生と17歳のあいだ




バスの車内はとても静かで、スローモーションのように通りすぎていく窓からの景色を私は見つめていた。


思えばこの一年、数えきれないほどたくさんの出来事があった。


その思い出の中には、いつも郁巳先生がいる。



走馬灯のように色々なことを思い出しながら、バスの窓から学校が見えた。


胸に刻みつけるように校舎を目で追っていると、キラリとなにかが光っていた。



……え?


それは学校の屋上から。


何度も角度を変えるようにして動いている光に、私はあの時の先生の言葉が頭に浮かんだ。



『だって光のスピードって宇宙で一番速いんだよ。話しかけるよりこうして光で知らせたほうが効率いいと思って』


間違いなく、あの光の反射は先生だ。


私は慌ててバスの窓を開ける。先生からもらった鏡を太陽に当てて、先生に届くように私も光を作った。



〝頑張れ〟〝行ってこい〟


先生の光はまるでそう言っているみたいに、何度もキラリと空を横切る。