先生と17歳のあいだ





「じゃあ、行こうか」

「うん」


お母さんは家に鍵をかけて、その鍵をポストへと静かに入れた。そして私たちはバス停に向かって雲ひとつない青空の下を歩く。



「お母さん。バスの時間、何時だっけ?」

「あと15分くらいかな」


バスに乗って空港に着いて飛行機に乗ってしまえば、一時間半で北海道に上陸する。

そう考えると、交通費はかかるけれど時間にすれば遠くはない。




「六花!」


バス停に着いて飛行機のチケットなどを確認していると……。私のことを呼ぶ元気な声が飛んできた。



「え、な、菜穂?」
 

ビックリする暇もなく、菜穂は抱きついてきた。
 


「へへ。見送りに来ちゃったよ」


菜穂とは昨日の晩に夜通し電話をしていた。

喋っても喋っても喋り足りなくて。キリがないねと笑いながら電話を切ったのが明け方過ぎ。その時は全然見送りのことなんて言ってなかったのに……。



「来たのは私だけじゃないよ」


菜穂が視線をずらすと、その奥には和谷先輩がいた。