生徒と先生。
17歳と27歳。
周りのことなんて気にしないでこの腕の中にずっといられたら、どんなに幸せだろうか。
でも、今はお互いに進むべき未来がある。
さよならは言わない。
言いたくない。
でも、先生の温もりだけはずっと忘れない。
「俺、17歳の的井六花に会えてよかった」
耳の近くで囁かれた先生の声は震えていた。
「私もです。先生に会えてよかった」
初めて恋をしたのが、先生でよかった。
「俺はいつでもお前の味方だ。それでいつだって的井の背中を押す存在でいたいと思ってる」
先生はゆっくりと私から身体を離した。
「頑張れ、的井。頑張れ」
この寂しさを乗り越えた先には、きっと素敵なことが待っている。
そう、信じて私はこの場所から。
先生から旅立っていく。
「……はい!」
もう涙は止まっていた。
大好きな人から送られたエールに背中を押されて、私は七色に輝く未来へと歩いていこう。



