先生と17歳のあいだ




……ふわっ。


と、その時。先生が私のことを引き寄せた。

ぎゅっと背中に回された手は力強くて痛いくらい。




「……先生、これはどういう意味ですか?」


「分かんない」


そう言いながら、先生はさらに私をきつく抱きしめる。




「私、先生に意識されていなくて苦しい時があったんです」


私も応えるようにして先生を抱きしめた。



ワックス掛けの数字準備室で先生に受け止められた時も。

酔った先生にキスをした時も。

睡蓮の池の前で先生に支えてもらった時も。

他にもたくさん先生との距離が近い瞬間はいくつもあった。


だけど、先生の心臓は私と違っていつも穏やかだった。




「先生の鼓動の音、こうやって速く鳴るんですね」


パーカー越しに聞こえる先生の心臓は、ドクンドクンと私と同じ音がしていた。