「……先生。うちの両親は高校生の時に知り合ったそうなんです。父が修学旅行で北海道に来ていた時に母に会ってお互いに一目惚れだったって」
私は幼い頃に聞いた両親の馴れ初めを思い出していた。
「それから遠距離がはじまって、母は大学進学とともに東京に上京して父と同棲をは始めました。それで四年間の交際を経て結婚したんです」
「………」
「すぐに私を授かって、ふたりが出逢った北海道にちなんで六花と名付けた」
私の読み方は〝ろっか〟だけど、同じ漢字で〝りっか〟というのは雪の結晶の別名だそうだ。
雪の結晶はひとつとして同じものがない。だから唯一無二の存在になってほしいという意味も込められている。
「素敵ですよね。なんか本当にドラマみたい。でもそんなロマンチックな出逢いで一緒になっても、壊れてしまうことがあるんですよね……」
仲がよかった頃の両親は私にとって自慢だったし、憧れだった。
いつかふたりのように私も運命の人に出逢いたいと思っていたし、両親と同じような家族を作ることが夢だった。
でも、現実は甘くない。現実は難しい。
お父さんとお母さんのそんな姿を見て、思い描いていた私の理想は簡単に砕け散った。



