先生と17歳のあいだ





と、次の瞬間。ボーーッという長音が辺りに響き渡った。


なんだろうと、音の先を目で追ってみると……。




「あれ、北海道まで行くんだよ」


それはフェリーターミナルから出港した船の汽笛の音だった。



フェリーはとても大きくて、全長は200メートルくらいあるだろうか。横並びになっている窓から明かりが漏れていて、ゆっくりしたスピードでフェリーは海の上を進んでいく。




「遠いように感じるけどさ、この海と繋がってんだよ」


先生はフェリーを見ながら呟いた。



海だけなら東京湾もあったのに、わざわざ茨城県まで来た理由。

それはきっとこのフェリーを見せるためだったのだと思う。




「わざわざ出港時間を調べてくれたんですか?」

「うん。ギリギリで間に合ってよかったよ」



先生は口にくわえたタバコにライターで火をつけた。

暗闇に浮かぶ炎が、海の彼方へと向かうフェリーの小さな明かりに似ていた。