「先生は他の生徒ともドライブしたりしますか?」
「お前、それ家に来た時もそんな感じのこと言ってなかったっけ」
「……だって気になります」
先生を独り占めできなくても、せめて運転する先生の姿だけは独り占めしたいという欲が出てきてしまった。
「しないよ。ひとり乗せたらみんなを乗せなきゃいけなくなるから」
「……なら、どうして私を」
〝お前とは友達だろ〟
前はそうやって即答されたけれど、今回の先生はなにも答えないまま、誤魔化すように音楽をかけた。
車内に流れるアップテンポな曲。
……先生って、こういうのを聴いてるんだ。
私も家で音楽を聴くことはあるけれど、先生みたいに流行りの曲ではないし、CDも滅多に買ったりレンタルしたりもしない。
でも、先生の車で流れた曲は全部覚えておこう。
今日が終わってもドライブのことを何度も思い出せるように。



