先生と17歳のあいだ





……ブーブーブ。


その日の夜。ベッドに横になりながら天井を見つめていると、スマホが振動していた。



【着信 郁巳先生】


画面に表示された名前を見て私は飛び起きる。



「せ、先生、どうしたんですか?」

私は声を上擦らせたまま電話に出た。



『なにしてる?』

スピーカー越しの先生の声が鼓膜に柔らかく響く。



「な、なにもしません。部屋でゴロゴロしてました」


『飯は?』


「菜穂とのランチでがっつり食べたのでまだお腹が空いてなくて」


『じゃあ、ドライブ行かない?』


その言葉に私の思考がピタリと停止した。



ド、ドライブ……?

え、待って。これは一体どういう展開?



『家の近くまで迎えにいくから。えっと、お前ん家の住所って……』 


「ドライブって先生とふたりきりで、ですか?」



期末テストも終わったし、もしかしたら他のクラスメイトたちも一緒に、なんていう展開もありえると思って一応確認した。


 
『俺とふたりじゃイヤ?』
 

すると、返事はすぐに返ってきた。表情は見えないけれど、声が少しだけ不機嫌になったような気もする。



「全然イヤじゃないです。すぐに支度します!」


『うん。着いたらメールする』


なんだか恋人のようなやり取りだな、と浮かれつつ。私は毛玉が付いている部屋着を脱いで急いで私服へと着替えた。