先生と17歳のあいだ




「……あの人……お父さんに相談したら、もし六花がここに残りたいのならそうすればいいと言ってた。そしたら新しい人とは一緒に住まないって」


「………」


「だから六花が決めていいよ。勝手なことを言ってることは分かってるけど、六花がこの家に残るなら不自由しないように六花が使えるお金もお母さん頑張って送るから」



お母さんとお父さん。どちらかを選べなんて、こんな酷な選択はないと思う。


けれど現実的に考えて、新しい人に気持ちがいっているお父さんと、新しい人との関係を切って覚悟を決めたお母さん。


私にとってどちらを選ぶべきかなんて、答えは一択しかない。

でも、それでも……。



「まだ返事はできない。だからもう少し待って」


昨日今日で判断できる話じゃない。


お母さんと会話をしない間に私も色々と変わった。

お母さんに事情があるように私にも簡単には頷けない事情がある。今までの私のことは知らなくても、それぐらいは知っていてほしいと思ってる。



「……分かった。外は暗いから友達の家まで気を付けて行ってね」

お母さんはそう言って、部屋のドアをゆっくりと閉めた。