先生と17歳のあいだ





「……先生、私、どうしたらいいですか?」

スカートの上で握りしめていた拳を強くする。



もし、私がひとりぼっちだったら。

誰とも関わらないことが正しいと。教室の隅で声を発することもなく、ただ1日が過ぎていくことを待っているだけの私だったら……。


お母さんに付いていくことを迷うことなく選んでいたと思う。



でも今はそうじゃない。

この街を、この学校を、この場所から出ていきたくない理由が私にはたくさんある。



「……私、先生から離れたくないです」


「………」


「先生に会えなくなるのはイヤです……っ」



大粒の涙が床に溢れ落ちた。


こんなに大切な人ができるなんて思ってなかった。


こんなに先生のことを好きになるなんて、ひとりぼっちだった頃は考えもしなかった。



「……的井」


先生がゆっくりと私の手を握った。



それは戸惑うように。けれど確かな想いがあるように。


私が先生に大好きだと伝えたあの夜と同じ。人差し指を小さく掴むだけの幼い握り方だった。