先生と17歳のあいだ





次の日。こんなに目覚めの悪い朝ははじめてのこと。


私は夜の間ずっと部屋の天井を見つめていた。雷に打たれたような感覚が今も続いていて、頭がクラクラとする。


お弁当を作る気力もなくリビングに下りると、ダイニングテーブルにはラップがかけられた私の朝ご飯が用意されていた。



【六花。またあとでゆっくり話そう】


いびつな卵焼きに焦げたウインナー。料理下手なお母さんが一生懸命作ったのだろう。


私はその気持ちを無下にするように置き手紙をくしゃりと丸める。



……今まで私のことなんて無関心だったくせに。


すべてがご機嫌取りのように思えて、私は朝ごはんには手をつけずにそのまま家を出た。



学校は普段と変わらない。

騒がしい教室も、誰かが書いた黒板の落書きも、いつものルーティンで回っている壁時計も。


おかしいのは、来年の春に私はもうここにはいないかもしれないということだけ。



「六花、おはよう」


登校してきた菜穂が真っ先に私のところへと来てくれた。


まだ、菜穂には言えない。

言ってしまえば本当に現実になってしまうから。



「うん。おはよう」


私は精いっぱいの笑顔で返した。