「ま、待ってよ。網走って……」
自然豊かなところだし、私も大好きな町だけど、修学旅行で北海道に行くこととはワケが違う。
「おじいちゃんとおばあちゃんには離婚することは伝えてある。一緒には暮らさなくても六花が寂しくない距離で手助けできたらって言ってくれた」
どうしよう。話がどんどん進んでいく。
「お、お母さんだって今の仕事はどうするの?」
「北海道にも支店があるからなんとかする。ダメだったらあっちで他の仕事を見つけるわ」
「……私の学校は?」
「六花が一緒に来てくれるなら転入って形で、向こうの高校に通ってもらうことになる。試験とか手続きとかこれからやらなきゃいけないことがあるけど、なるべく六花には負担がかからないように――」
「勝手に決めないでよ……!」
私は壁に反響するぐらいの大きな声を出した。
「私、あと1年で卒業なんだよ?なのにこのタイミングで他の高校って……」
ううん、それだけじゃない。
やっと学校が楽しい場所に変わって、クラスメイトたちとも打ち解けはじめて。
大好きな菜穂や和谷先輩や、大切な郁巳先生がいる学校を離れるなんて、そんなの考えられない。
……考えたくない。



