先生と17歳のあいだ




力が抜けたようにベッドに倒れ込んで枕に顔を埋める。


お父さんとお母さんが離婚する。

生まれた時から過ごしてきたこの家を出ていく。


理解しようとしても、それを心が拒絶していた。



私は薄暗い部屋の中でスマホをタップする。ぼんやりと光が浮かんでいる画面には郁巳先生の名前。

ボタンひとつでメールも電話もできる。


今、無性に先生の声が聞きたい。


でも、そしたら私は泣いてしまう。


それでまた先生に頼って寄りかかって甘えるだけになる。



……はあ、と鉛のような息を吐いたところで、部屋のドアがノックされた。



「六花。入るよ」
 

ガチャリとドアを開けたのは、お母さんだった。


お母さんはすぐに部屋の電気をつけた。明るくなった視界に戸惑いながらも、私は横になっていた身体を起こす。



「ごめんね。ビックリしたでしょ?」 

「………」


お母さんは私の隣に座ってきたけれど、私の視線は反発するようにそっぽを向いたまま。


〝悪かった〟〝ごめんね〟


今まで私のことを放っておいたくせに、こんな時にだけ素直に謝ってくるなんてズルいと思う。