「先生、久しぶりですね」
私はぎゅっと、先生のウェアを掴んだ。
「なんで?俺は今日も昨日も、なんならほぼ毎日お前の顔見てるよ」
「こうして話をするのが、ですよ」
ずっと先生と話したかったけれど怖くてできなかったし、先生も前みたいに話してくれないんじゃないかって不安もあったから。
でもやっぱり先生の会話のテンポとか、先生としかできない掛け合いとかがたまらなく嬉しくて。
普通に話しているだけで渦巻いていたモヤモヤが雪風と一緒に消えていく。
「先生、あとで写真撮ってください。1枚だけでいいので」
「なんで1枚なんだよ。いっぱい撮ればいいだろ」
モヤモヤしていた気持ちが消えても、どうしたって先生への想いは消えることはない。
そのあと私は先生と下まで滑って、うちの学校はお昼休憩に入ることになった。
「六花。私、スキー向いてないよ」
私は菜穂と合流して、センターハウスの1階にあるレストランへの移動した。
レストランではカツカレーやオムライス。えび天丼やカルビ丼、チキン南蛮定食にラーメンと、美味しそうなメニューが豊富にあった。
「明日もスキー教室とかマジで泣きたいよ」
「じゃあ、食べ終わったら少し練習しようか」
「うう、六花」
菜穂を宥(なだ)めながら、私は北海道でしか馴染みのないザンギ定食を注文した。



