このスキー場は北麓(ほくろく)に位置しているので、景観の良い石狩湾を見ながら滑降ができる。
標高最上部はおよそ310メートル。最大斜度は30度。最長滑走距離はなんと1000メートル。
人工降雪機が備わっていて、まだ天然雪は降っていなくても、柔らかくて真新しい雪がゲレンデを白く染めていた。
「じゃあ、最初は軽く登り降りの練習をします。慣れてきたら急斜面がある林間コースにも行くからね」
インストラクターの指示に従って、私たちはさっそく滑りはじめる。
スキーの感覚が遠退いていたので不安もあったけれど、なんとか身体が覚えていてくれたようで、転ぶことなく板を滑らせることができた。
周りを見渡すと、他のグループも練習をはじめていて、楽しそうな声もあれば苦戦してる叫び声もある。
そんな中で、私は郁巳先生を探してみたけれど、なかなか見つからない。
考えてみれば貸し出しのウェアはみんな色が同じだし、帽子やゴーグルを付けているので顔の識別も難しい。
もしかしたらまだセンターハウスにいる可能性もあるけれど、おそらく先生はなんでも出来てしまうから難易度が高いコースでも楽々と滑れてしまうに違いない。



