先生と17歳のあいだ




「いいな。俺も行きたい。っていうか的井さんと一緒にいたいだけだけど」
 

先輩の言葉は直球で、私はすぐにどうしていいか分からなくなる。

 

「……先輩はその、どうしてそんなに私のことが……」


ずっと不思議に思っていた。他に綺麗な人がいるし、私なんて全然、先輩の目に止めてもらえるほどの存在じゃないのに。



「うーん。そうやって少し自信がないところが心配だったっていうのがひとつのキッカケではあるんだけど、単純に可愛いと思ったし言葉使いも丁寧でいい子だなって、委員会が一緒になった時から思ってた」


「……あ、ありがとうございます」 


「うん。でも正直、郁巳先生のことを目で追ってる的井さんに惹かれた部分もあるんだ」  


廊下を歩いていた先輩がピタリと足を止めた。

 

「そう思うと俺も自分からあえて難しい恋を選んだわけだから、的井さんの諦められない気持ちも分かってるつもり」


「……先輩」


私が委員会の時もぼんやりとしていたこと。それは先生のことを考えていたからだと、先輩はすべてを見透かしていたのだと思う。



「でも片想いってぶっちゃけ自分が止めない限りはずっと続けられるものでしょ。だから告白してはっきりとフラれる必要があるんじゃないかとも思う。まあ、俺はそれが怖くて的井さんに決定的なことを言えてないんだけどね」  



先輩の言葉にハッとした。
  

私は先生を想うだけで、気持ちに一区切りつける方法から逃げていた。


告白するという選択肢を今まで考えてこなかったけれど、中途半端に一線を引かれてしまうくらいなら……。


当たって砕けてしまうのも悪くないのかもしれないと、先輩のおかげで思えていた。