たしかにクラスメイトの男子たちも授業中にこういう類いの雑誌を持ち込んで見ている光景は何度も目撃したことがあった。
「先生って、17歳の女の子をどう思いますか?」
「うーん、若くて元気でいいんじゃないの。まだなんにでもなれる歳だし、将来の選択肢がいくつもあって羨ましいよ」
「……じゃなくて、恋愛対象として」
私の言葉で準備室はシーンと静まり返った。
おそらく、今の私は完全に気持ちが顔に出ている。
目の前に鏡があるわけじゃないけれど、顔の熱さで大体分かるから。
「10歳差なんて別次元の生き物だよ」
先生は冷静に取り乱すことなく、そう言った。
「……じゃあ、先生は30歳になった時に20歳の人に言い寄られても同じことを言うんですか?」
「言わねーよ。それが女子大生だったら間違いなく浮かれるね」
「じゃあ、なんで同じ年の差の女子高生はダメなんですか?」
「じゃあ、お前は7歳のガキと恋愛できるのかよ」
私のしつこい質問に、先生は呆れた声を出した。
「……極端なことを言わないでください」
急に弱気になる私を見て「同じ年の差だろ」と、やっぱり先生は冷静だった。



