先生と17歳のあいだ





「私なんてふたりにとって必要ないんですよ。突然いなくなったって別に……」


「そんなこと言うな」


ずっと黙って聞いてくれていた先生が声を出した。



「必要ないなんて、言うなよ」

「……っ」


先生があまりに真剣な顔で怒ってくれたから、私はたまらずに啜り泣いた。



初めて家族の話を誰かにした。


本当は聞いてほしかったし、こうして泣きたかったけれど、それを許してもらえる場所がなかった。


でも、ここなら。先生の前でなら……。




「……先生、ちょっとぎゅってしていいですか……?」

「うん」


自分から寄りかかると、先生は包むようにして背中を擦ってくれた。


耳から伝わってくる先生の鼓動が心地いい。



「……先生って、なんでこんなにいい匂いがするんですか?」

「ん?タバコ?柔軟剤?」  

「ううん、先生の匂い」

「犬か」 

「ふふ、はは」


先生の突っ込みに私は自然と笑ってしまった。


泣いたり笑ったり、本当に忙しい。


でも、先生に話してよかった。


先生じゃなかったら、話せなかったと思うから。