先生と17歳のあいだ




体育祭のリレーと同じくらいの速さで走っているのに、足音は遠退くどころかどんどん距離を詰めてきた。


そして、ついに足音は私の真後ろまでやって来て、グイッと肩を掴まれてしまった。



「……ハア……い、いや。やめて、来ないでっ!!」


勢いよく手を払うと、反動で男性のビニール袋に当たり中からあるものが転がり落ちてきた。



……カップ、ラーメン?


凶器じゃなかったことに安心して、男性の顔を確認すると……。




「ハア……なんで逃げるんだよ」


それは、まさかの息を切らせた郁巳先生だった。私は一気に足の力が抜けてしまい、その場に座り込む。



「もう、脅かさないでくださいよ!」

本気で殺されると思った私の気持ちを返してほしい。

 

「お前が全力疾走するからだろ」
 

「だって後ろから付けてくるから」 


「暗いし的井だって確信できなかったんだよ。それで声かけようとしたら逃げられて」

 
「逃げますよ。っていうか私じゃなかったら警察呼ばれてます」

 

まだ心臓がバクバクしてる。先生は「ごめん。立てるか?」と、私を優しく引っ張り上げてくれた。