「髪型可愛いね。すごく似合ってるよ!」
見回りの時間になり、私は和谷先輩と合流した。先生に言ってほしかった言葉を先輩は簡単に私にくれる。
一般解放の時間になると、校門の前に作られたアーチから続々と人が敷地内へと入ってきていた。
お客さんが来ると同時に各クラスの出し物も騒がしくなっていた。
クラスTシャツを着た生徒や童話のキャラクターなどに仮装してる人ともすれ違い、中庭からは食べ物の匂いも漂いはじめている。
「こんな時に見回りなんて風紀委員に入らなきゃよかったって思ってるでしょ?」
左腕に腕章をつけた先輩が隣で苦笑いをしていた。
「い、いえ、そんなことは思ってないですよ。むしろ先輩のほうが全然文化祭に参加できないじゃないですか」
私たち同様にペアで回れない人が他にもいて、先輩は委員長としてこの時間帯以外の見回りにも出ることになってしまっていた。
「でも見回りしながら色々なところも見れたりするし、けっこう楽しむつもりだよ」
先輩は私の心配をよそに柔らかく笑った。
時間の経過とともに一般客の数も多くなっていって、他校の制服を着た人たちもたくさん訪れていた。
女子も男子もなんだか周りをキョロキョロとしていて、文化祭を楽しむ為に来てる人もいれば、やっぱり出逢いを求めてる人もいるように感じる。



