【盲目の少女】 「澪!奏多君が来てくれたわよ!」 「はーい!」 お母さんの声に返事をしたけど、私はその場から動かず奏多がここに来てくれるのを待った。 「遊びに来た。」 口数が多いわけじゃないけど、毎日のように私の家に遊びに来てくれるのは幼馴染の如月奏多。 奏多の家はお寺で、悪魔や妖怪払いをする陰陽師の力を受け継いでいて、奏多もその仕事の手伝いをしている。 家族同士もみんな仲良しで、私と奏多も小さい時から一緒にいる。