幼なじみがその距離なのかよ、手触んな…気持ちわりぃ…

「あの、奏くんって呼んでもいいかな…?」

は?何言ってんだこいつ…無理無理
でもそれを言ってみろ…怪しまれるだろうしな

頭の中でぐるぐるした結果、蒼山は承諾した

「うん、いいよ、僕はなんて呼んだらいいかな」

あー…苦痛だわ
朱里ちゃんなら良かったのに

暁の方に視線を向けると、手を取って二人で話しながら練習していた

はぁ…憂鬱だ

「奏くん、私のことは杏奈でいいよ!」

呼びたくねぇぇぇ…心から願い下げだわ…

なんて言える訳もなく笑顔で頷いた