「いいからおいで。」

 優しく諭されて私はおずおずと近づいて座った。
 その体に腕を回されて抱き寄せられた。

 そしてそっと唇が触れた。
 恥ずかしくて俯くと「可愛い」と言って、もう一度キスをされる。

 可愛いなんて、可愛いなんて。
 なんだかすごくくすぐったい。

「あの、電気を、その消しませんか?」

「フッ。やる気満々?」

「なっ。違っ。だって。」

「ウソウソ。俺は、その気だけど?」

 ククッと笑った高宮課長がもう一度キスをした。

「……もっと幸せそうな笑い方して欲しいです。」

「笑いたくなったらって言ったろ?」

 ついばむようにキスをされて、それから抱きかかえられた。
 突然のことに「キャッ」と悲鳴が漏れる。

 布団の上へ降ろされると部屋の明かりは消された。
 月明かりだけが二人を照らす。

「綺麗だな。」

 頬をそっと撫でられて、それから何度も唇を重ね合った。
 まるで昨日の出来事を思い出して手繰り寄せるように。

 触れる手が熱くて高宮課長にしがみつく。
 体をよじらせて布団に沈ませた。